純和風の建築物にも自然に溶け込む!。和の世界観を念頭に置いたアーチ型塀と巨石風アプローチ

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何となくの先入観かもしれませんが、グランドアートウォールやローラーストーンって、洋風の建物用に存在しているとか、洋風の建物にジャストフィットするような商品と思い込んでいらっしゃる方が多いように思えますが、そんな方は今回ご紹介する外構工事のケースをご覧いただくと、今までの考え&先入観が一新されることと思います!。そうです、グランドアートウォールやローラーストーンの世界は、洋風だけではなく、和風の建築物の独自の世界観の形成にも無類の威力を発揮します!
今回は純和風建築にグランドアートウォール&ローラーストーンを用いられたお客様のケースを元に、当社が制作にこだわった点をご説明しながら、改めてその魅力をお伝えできればと思います。

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こちらのクライアント様の建物は、誰もがうらやむ非常に綺麗な純和風建築でございますが、信じられないことになんと既に築35年でございます!。築35年でこの堂々たる佇まいに、自然かつ有機的に機能する外構を建築することは中々至難の業であると思われがちですが、このような見事な純和風建築だからこそ、ぜひともということでグランドアートウォールとローラーストーンを用いた塀や玄関アプローチ等をご提案させていただき、制作に入りました。

1,アーチ型塀

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ジョリパッド仕上げ&アーチ形状にした塀

クライアント様の建物は、この地域で多いケースなんですが、玄関が2つあります。一つの玄関が来客用、そしてもう一つの玄関が家族が農作業などで少し衣服を汚した状態でもそのまま家の中に入れる用という感じで2つある家が多いのです。
2つある玄関のうち、まず家族外のお客様を最初にもてなす顔である玄関はそれなりに間取りが広く作られてあります。その玄関の広さと同等の存在感のあるもので、玄関にお越しになるお客様に直接隣の窓から家の中が見えないようにする塀を設置したいとお考えでした。ならば純和風の雰囲気を醸し出しつつ、存在感のある最適な塀は何か?を熟考したところ、この度はグランドアートウォールのジョリパット仕上げのアートクリフバージョン、そして直線の塀ではなく、敢えて塀に緩やかなアールを付けた柔らかみ、温かみを出すタイプの制作をご提案させていただきました。
まず「ジョリパッド仕上げ」についてご説明させていただきますが、難しい説明は割愛させていただいて、ジョリパッド仕上げは主にコンクリート風・石調・木目調など様々な質感や模様を演出できる“デザイン性”の高い仕上げ法のことを示します。

その中で今回「アートクリフ」のバージョンで制作させていただきましたが、これに近いバージョンで実は「エンシェントブリック」というものもございました。

アートクリフ_T4030
(図1)アートクリフ
エンシェントブリック_T3034
(図2)エンシェントブリック

世間一般的にはどちらかというと、「エンシェントブリック」が使われることが多いのですが、実は今回は敢えて「アートクリフ」をご提案させていただきました。ではこの「アートクリフ」と「エンシェントブリック」の違いは何か?ですが、(図1)(図2)をよく見ていただきますと、「エンシェントブリック」の最終的な仕上げはコテで円を描くようにフィニッシュに持っていくのですが、「アートクリフ」は塀全体の目が横に直線的になるように仕上げてあります。普通言われないとわからないかもしれませんが、この純和風の建物は構造上どこをとっても理路整然と無駄が無く、全てにおいて計算されつくした純和風の美がありますので、この塀の目に関しても、横に一直線に流れる「アートクリフ」で完成させるのが最適という判断となり、制作に至った次第でございます。
そして塀の目が横に一直線になるように「アートクリフ」を選択しておきながら、敢えて塀自体にはRを入れアーチ型にする、しつこいようですが、塀自体を直線にせず、敢えて塀を緩やかに曲げてアーチ型にし、家を緩やかに囲うというアイデアをご提案させていただきました!

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玄関と塀のバランスがGOOD

その意図は、完璧に作られた純和風建築の中において、敢えてお客様を出迎えるこの玄関口の塀に少し”暖かさ””柔らかさ”を加えたかったということがございます。
そもそもまだまだ一般的には、塀を曲げてご提案するということ自体がナンセンスのように思われるかもしれませんが、こんなこともグランドアートウォールの塀だったら出来てしまうのです!
塀がアーチ型であっても、建物全体の写真を見た時にはわからないと思います。
しかしご来客の方が玄関まで来た時、玄関の広さに負けないほどの存在感、適切なインパクトを持つこの塀は、本建築物における建物と外構の魅力をさらに相互に引き立たせるものであると確信しています。

2,巨石風アプローチ

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一見古くて大きい石にしか見えない玄関アプローチ

そして家族が使うもう一つの玄関口にもこだわりを入れさせていただきました。
家族が日頃出入りする玄関は、お客様用の玄関より狭く作ってあるわけですが、日々出入りする玄関のアプローチにも油断せず、ご家族様が無意識に愛でていただけるような、自然かつ味のあるアプローチを作ってみたいと考え、熟考の上、昔からあるようなエイジング加工の入った巨石風のデザインのアプローチをご提案させていただきました。
敢えて玄関アプローチが新品すぎると周りの雰囲気に合わないということはお分かりいただけると思いますが、ではどんな雰囲気やデザインがいいかというと決断が難しい場合が多いのですが、今回は建物の周り全体が元々植栽と共に石積みだったということもあり、石っぽい雰囲気で行くべきと踏んでおりました。その上で周りを取り囲んでいた石より少し明るい色の石で、エイジング加工をして敢えて「時間が経って風化・経年したように見せる」ようにした巨石風のアプローチを作る方向で最終的に決まりました。
このテイストは、ローラーストーンの岩肌調というもので、コンクリートで作ったものの表面に加工を入れてこのような風化した雰囲気を醸し出すようにしています。
遥か昔から存在する管理の行き届いた古い由緒あるお寺といいますか名刹と言いますか、そのような所にある階段のような雰囲気を見事に演出していると思います。
普段から出入りするご家族皆様におかれましても、日々出入りするのが少し楽しくなるような、自慢の家族用玄関になったのではないでしょうか。

3,八ヶ岳が眺められるアウトリビング

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塀の下から光を出しているラインライトがいい感じ

そして、クライアント様の最後のニーズとして「八ヶ岳が見えるアウトリビングを持ちたい!」とのご希望があり、そのニーズにお応えできるよう当社もご協力させていただきました!
まず、1の「アーチ型塀」にした理由の裏の目的になりますが、塀をアーチ型にすることにより、八ヶ岳を望むアウトリビングが柔らかいリラックスできる空間になったということ、そして内側の塀の下に、間接照明としてラインライトを設置し、夕方から夜にかけて柔らかい光を出すようにして、ご家族様だけが楽しめる幻想的な雰囲気の場をお作りさせていただくことに協力させていただきました。
実際ウッドデッキは当社ではなく、関係会社の他社様がお作りになられましたが、ウッドデッキ自体もアーチ型の塀にうまく収まって、空間としても広く感じられるようになっているのではないかと思います。仕事が終わって夕方あたりからいい天気の日にビールなど飲めば最高でしょうね!

洋風だけでは無い、和風にも無類の世界観を提供するGAW&RS

こだわった点は細かい点を入れるとまだまだ沢山ございますが、まず何を一番伝えたいかと申しますと、和風建築にもグランドアートウォール&ローラーストーンは合いますよ!ということでございます。むしろ和の世界には、和の世界用のグランドアートウォール&ローラーストーンの世界があり、この点は残念ながらまだまだ世間的にご認知いただいていない点でございます。しかし、グランドアートウォール&ローラーストーンでは出来ないのではなく、単にまだ機会に恵まれていないだけであり、和の建築物における独自の世界観の提供に、グランドアートウォール&ローラーストーンはまだまだ無限の可能性を提供してくれることと思います!

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家族用玄関の間接照明
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アーチ型塀を玄関とは逆の方から見た雰囲気

総評

仕事柄いろんなお宅を拝見させていただきましたが、どんな素敵なお宅を見せていただいても、最終的というか、究極的に立ち戻る最高の家というか建物というのは、このような純和風の建物なのかもしれないと改めて思った次第です。
先人が考え抜かれて代々継いできた技術やノウハウが結集されたこのようなお宅の外構工事に、当社が関与させていただけましたことはとても嬉しい限りでございました。
また当社自体も、和風建築に対するグランドアートウォールやローラーストーンの可能性を分かっていたとはいえ、その魅力を強く再認識するいい機会にもなったと思っております。
ぜひ和風建築をお持ちの方で、外構のご相談がございます方もお気軽に当社へお問い合わせいただければと思います!
精一杯、ワクワクしていただけるような外構をご提案させていただきたいと思います。

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